ガイドが止めるのも聞かず、フォッグ氏は堂々と僧侶たちの方に歩いていきました。
驚く周りの人間たち。
何人かは襲いかかろうともしましたが、一番位が高そうな僧侶はそれを止め、
フォッグ氏を神殿に招き入れ、ふたりは向き合いました。
「見たところ、英国人だな。なんの用だ。」
「あの女性をどうするつもりだ。」
「彼女は王の妻だ。王が亡くなった今、共に現生から旅立つ。当然のことだ」
「私達の国の文化にはそのようなことはない。ここがインドだということは承知しているが、私にはどうしても見過ごすことができないのだ。なんとか生かしてあげる方法はないものだろうか。私に出来ることは何でもしよう。」
「そうか。ではお前が代わりに王の遺体と共に灰になるか?」
さて、フォッグ氏の答えは?