地に脚がつかない輩

 
 
「あら、そうなんですの。」
 
たわいない会話に平和を感じる三人。・・・とその時!
 
キキキキキイイイイ・・・!
 
 
いきなり列車が急ブレーキをかけました。
 

なんと、線路を覆うバッファローの群れにつっこんでしまったのです!
あまりにも沢山のバッファローになすすべがない人間たち。

列車から降りて茫然と様子を眺める乗客たちのまえに、突然ふわりと気球が舞い降りました。
 

 
 
 
それも、ちょうど三人の目の前に。
中から出てきたのはいかにもアメリカ人の冒険家風の男。
 
「これは災難だなあ。大丈夫ですか?レディをお連れで、お困りではないでしょうか?」
 
「ええ、いかにも困っています。」
 
泰然と答えるフォッグ氏。
 
「英国の方ですね。あと三人くらいなら、この気球に乗れますよ。
どうですか?ニューヨークまで空の旅は?新大陸も悪いもんじゃあないとお分かりになりますよ。」
 
「そうでしょうとも。」
 
 

運よく気球に乗りこめた三人。
空は快晴、アメリカのどこまでも広い大地が広がっています。
 
 
 

いつもお高くとまっている英国人を助けるなんて、
なんて俺はいいやつなんだ~とご機嫌のアメリカ人の冒険家。
 
体が触れんばかりの傍に得も言われぬエキゾチックな美人もいるし。
 
話題を作りたいと思ったのか、荷物のなかから何か取り出してフォッグ氏に尋ねました。
 
「最近こんなもの、手に入れたんですよ。お国のものですかね?どうやって使うのでしょう?」