無事にニューヨークへ着いた一行。
一行がのろうとしていたのは、ニューヨークからリヴァプールへの蒸気船。
なんと、その蒸気船はどんな気まぐれか45分前に出てしまっていたのでした!
なんと、その蒸気船はどんな気まぐれか45分前に出てしまっていたのでした!
その日はどうすることも出来ず、翌日、フォッグ氏はなんとかフランス・ボルドー行の
商船をつかまえます。
行先はボルドーではありますが、とりあえず大西洋を渡らねば、と
一行はその船に乗り込み、ニューヨークを出発しました。
船旅の間、フォッグ氏はいつのまにか船長とチェスに興じるようになっていました。
ある夕、チェス盤を前にフォッグ氏は船長に言いました。
「このチェス盤をみていて、この盤の木はあの銘木なのではないかと思えるようになりました。
船長はご存知ですか?」
「ん?・・・あ、ああ、もちろんさ。あの木だ!緑の黄金ってやつさ。」
「・・・私は違うと思いますねえ。どうですか?勝負しませんか?」
「ああ?そういわれて引き下がるようじゃあ船乗りじゃあねえ。ようし!なにを賭ける?」
「負けた方がなんでも相手のいうことを聞く、というのはどうでしょう?」
「よおし。受けた!船員に元家具屋で働いていたやつがいる。
・・・おい!呼んで来い!・・・来た来た、おい、お前、このチェス盤の木がなにかわかるか? あ、わかっても名前は言うなよ!」
・・・おい!呼んで来い!・・・来た来た、おい、お前、このチェス盤の木がなにかわかるか? あ、わかっても名前は言うなよ!」
「へい、わかります。簡単でさあ!」
「よおし。さあさあ、俺は公平な人間だ。おい、お前、紙に木の名前を書いとけ。おい、そっちのお前、その紙をもっとけ。
誰にもみせるんじゃあねえぞ!これで俺が怖いからって、こいつが俺の味方をすることも出来ねえようにしたからな」
誰にもみせるんじゃあねえぞ!これで俺が怖いからって、こいつが俺の味方をすることも出来ねえようにしたからな」
船長の得意げな様子に、フォッグ氏は澄まして答えます。
「素晴らしい采配です。敬服します。」
さあ、勝負の行方は?